長方形のデッキなら、面積は長さ × 幅です。3.6 × 2.7 mのデッキは9.72 m²(約2.9坪)になります。それ以外の形は、外形を長方形、三角形、円の一部に分け、それぞれの面積を求めて足したり引いたりします。計算自体は簡単で、ミスの原因はたいてい、測る辺を間違えることか、mmとmの桁を取り違えることです。
ここでは、既存のデッキや計画中のデッキの測り方を、よくある形ごとの計算例とともに紹介します。
実際に何を測るのか
メジャーを伸ばす前に、どの面積が必要なのかを決めましょう。デッキの面積は一つではありません。
- デッキ面。 歩行面の面積で、デッキ材の外側の縁まで測ります。デッキ材、塗料の見積もりに使います。
- 下地(床組み)の範囲。 根太や大引が並ぶ範囲です。デッキ材は通常、下地より少しはみ出して張るため、デッキ面よりわずかに小さくなります。張り出しの上限は製品ごとに決まっており、たとえばルチアウッドは根太の中心から120 mm程度までです(リーベ プロ)。根太、大引、束の配置に使います。
- 階段とステップ。 別に測ります。デッキ材や塗料の面積には加えますが、デッキの床面積として示すときはふつう含めません。
屋根を付ける予定がある場合は、床面積も確認しておきましょう。屋根のない床だけのデッキは一般に建築物に当たらないとされていますが、屋根を付けて建築物の増築となる場合、防火地域・準防火地域の外で床面積10 m²以内なら確認申請は不要、それ以外は必要とされています(建築基準法第6条)。防火地域・準防火地域では10 m²以内でも申請が必要です(神戸市FAQ)。扱いは自治体に確認してください。
測る道具とコツ
5.5 m程度のコンベックス(長いデッキなら10 m以上の巻尺)、鉛筆、ラフスケッチを描いたメモ帳、できればメジャーの端を押さえてくれるもう1人が必要です。
ミスを防ぐ習慣をいくつか紹介します。
- 先にスケッチを描いてから測る。 外形を描き、各辺にアルファベットを振ってから、それぞれの横に寸法を書き込みます。
- 同じ長さの「はず」の辺もすべて測る。 古いデッキが完全に直角になっていることはまずありません。
- mm単位で書き、最後にmへ換算する。 メモの段階で3,640 mmを3.6 mに丸めないでください。
- 対角線を測る。 長方形なら2本の対角線は同じ長さのはずです。10 mm以上違う場合はデッキが直角になっておらず、面積が少しずれている可能性があります。
住宅の寸法は910 mm単位のことが多い
日本の木造住宅は、910 mm(半間)を基準にした尺モジュールで設計されていることが多く、掃き出し窓や外壁の出隅もこの倍数の位置に来ることがよくあります。尺貫法では1尺が約303 mm、1間(6尺)が約1,818 mmです。建物に合わせてデッキの幅を決めるなら、1,820 mm、2,730 mm、3,640 mmのような寸法になることがあります。
| 寸法 | m | 備考 |
|---|---|---|
| 910 mm | 0.91 | 半間(尺モジュール) |
| 1,820 mm | 1.82 | 1間(尺モジュール) |
| 2,730 mm | 2.73 | 1間半 |
| 3,640 mm | 3.64 | 2間 |
面積を坪で知りたい場合は、m²を約3.31で割ります(1坪 = 400/121 m² ≈ 3.306 m²)。9.72 m²なら約2.94坪です。
長方形と正方形
面積 = 長さ × 幅。
計算例。 建物に沿って3.6 m、張り出し2.7 mのデッキの場合。
- 3.6 × 2.7 = 9.72 m²
端数を含む場合。 既存のデッキが3,640 × 2,730 mmの場合。
- 3.64 × 2.73 = 9.937 m²
材料を注文する際は、9.94 m²に切り上げて考えます。
L字型や複数のエリアがあるデッキ
形を重ならない長方形に分け、それぞれの面積を求めて足します。
計算例。 4.5 × 2.7 mのメインデッキに、バーベキュー用の1.8 × 1.5 mの張り出しがある場合。
- メイン部分:4.5 × 2.7 = 12.15 m²
- 張り出し:1.8 × 1.5 = 2.70 m²
- 合計:12.15 + 2.70 = 14.85 m²(約4.5坪)
L字の分け方はふつう1通りではありません。重なりやすき間がなければ、どう分けても合計は同じになります。分け方によって合計が違う場合は、どこかの辺の寸法が間違っています。
角を落とした(斜めの)コーナー
外側の角を45°で切り落としたデッキでは、角が直角だった場合の長方形全体を測り、切り落とした部分ごとに三角形を引きます。45°の切り落としなら、取り除いた三角形の2辺は同じ長さです。
三角形の面積 = 辺 × 辺 ÷ 2。
計算例。 3.6 × 2.7 mのデッキで、外側の角2か所をそれぞれ両側0.9 mずつ切り落とした場合。
- 長方形全体:3.6 × 2.7 = 9.72 m²
- 三角形1つ:0.9 × 0.9 ÷ 2 = 0.405 m²
- 三角形2つ:0.81 m²
- 合計:9.72 − 0.81 = 8.91 m²
斜めの辺しか測れない場合、2辺の長さがLの45°の切り落としなら、斜めの辺は約1.414 × Lです。斜めの辺が1,273 mmなら、2辺はそれぞれ約0.9 mです。
八角形、円、曲線
正八角形
8辺がすべて同じ長さsの八角形の場合:
面積 ≈ 4.828 × s²
計算例。 1辺1.8 mの八角形のデッキ。
- 1.8 × 1.8 = 3.24
- 3.24 × 4.828 = 15.64 m²
辺の長さがそろっていない場合は、4つの角を落とした長方形とみなし、上の方法を使います。
円と半円
円の面積 = 3.1416 × 半径²。半円はその半分です。
計算例。 3.6 × 2.7 mのデッキの外側の辺に、直径1.8 m(半径0.9 m)の半円の張り出しがある場合。
- 長方形:9.72 m²
- 半円:3.1416 × 0.9 × 0.9 ÷ 2 = 1.27 m²
- 合計:10.99 m²
不規則な曲線
自由な曲線の場合は、平らな側に沿ってまっすぐな基準線を引き、300 mmや500 mmごとに曲線までの距離を測ります。各帯を、両端の長さの平均を使った長方形とみなし、帯の面積を足し合わせます。帯を細かくするほど正確になります。曲線の縁からは端材が多く出るため、材料を多めに見込んでください。
段差のあるデッキと階段
各段を独立した形として測り、足し合わせます。段差部分の側面に幕板を張る場合は、その面積も忘れずに。
階段は、踏み板の数を数え、幅と踏面の奥行きを掛けます。
計算例。 幅0.9 mで、奥行き215 mmの踏面が2か所ある階段。
- 0.9 × 0.215 × 2 = 踏面の面積0.39 m²
蹴込み板も張る場合は、その分を加えます。ウッドデッキ階段計算ツールでは、デッキの高さから踏面と蹴上げの数を割り出せます。
面積を材料に置き換える
面積はほとんどの材料見積もりの出発点ですが、それだけですべてがわかるわけではありません。
デッキ材
面積だけでも、おおよそのデッキ材の長さは出せます。幅105 mmのデッキ材をすき間5 mmで張るなら、1列あたり110 mmなので、1 m²に必要なデッキ材は1 ÷ 0.11 ≈ 9.1 mです。9.72 m²なら約88 mで、4 m材に換算すると23本です。
ただし、この簡易な方法では、デッキの寸法がデッキ材の長さと合っているかどうかはわかりません。3.6 × 2.7 mのデッキに4 m材を張ると、ウッドデッキ材料計算ツールの結果は25列で4 m材25本(予備10%を含めると28本)です。各列で0.4 mずつ端材が出るためで、面積からの概算より2本多くなります。1列ずつ数える方法なら、デッキ材の長さ、実際の幅、すき間まで考慮できます。
ロスは張り方によっても変わります。斜め張りや額縁張りは、まっすぐ張るよりも端材が多く出ます。
塗料
塗料の量は、塗る面積と製品の使用量で決まります。たとえば浸透タイプの木材保護塗料キシラデコールは、標準使用量を2〜3回塗りの合計で0.15〜0.20 L/m²としています(キシラデコール製品情報)。9.72 m²の床面だけなら約1.5〜1.9 Lです。面積には階段の踏み板、蹴込み板、幕板、手すりも含めてください。ウッドデッキ塗料計算ツールなら、塗り回数とその他の面も加えて計算できます。
費用
施工業者の見積もりや費用の相場は、1 m²あたりの単価で示されることがよくあります。たとえば天然木(一般材)のウッドデッキは1 m²あたり約1万〜3万円、人工木は約2.5万〜3.5万円とされています(2025年、リショップナビ)。9.72 m²なら、天然木で約9.7万〜29万円の計算です。価格は目安で、地域や時期によって変わります。その単価に階段、手すり、撤去費が含まれているかも確認してください。内訳はウッドデッキの費用内訳で解説しています。
よくある測り間違い
- デッキの長さではなく建物の壁の長さを使う。 デッキが出隅の手前で終わっていたり、出隅を越えて伸びていたりすることがあります。
- mmとmの桁を取り違える。 3,640 mmは3.64 mで、36.4 mではありません。
- デッキ材の見積もりで下地の範囲を測る。 デッキ材ははみ出し分も含めた面全体を覆います。
- くり抜き部分を忘れる。 木を避けた切り欠き、造り付けのプランター、点検口などは、デッキ材を張らないなら差し引きます。
- L字の2つの長方形が重なる部分を二重に数える。
どの形でもすばやく計算したいときは、長方形、L字型、角を落とした形に対応したデッキ面積計算ツールをお使いください。
よくある質問
デッキの面積に階段も含めますか?
デッキの広さを比べるときは、ふつう含めません。デッキ材や塗料などの材料では、踏み板と蹴込み板を別項目として含めてください。屋根を付けて建築物として扱われる場合の床面積の数え方は、自治体の建築指導担当に確認してください。
デッキ材の縁まで測るのですか、それとも下地まで測るのですか?
デッキ材と塗料には、覆う面であるデッキ材の縁まで測ります。根太や束の配置には下地の範囲を測ります。ほとんどのデッキでは差はわずかですが、大きなデッキや額縁張りのデッキでは積み重なります。
直角になっていないデッキはどう測ればよいですか?
すべての辺と2本の対角線を測り、必要なら三角形に分けます。わずかに直角からずれた四角形なら、向かい合う辺の平均どうしを掛ければ近い値が出ます。材料を注文するなら、少し切り上げておく方が、ホームセンターにもう一度足を運ぶより安く済みます。
面積は坪でどれくらいですか?
m²を約3.31で割ります。3.6 × 2.7 m(9.72 m²)なら約2.9坪、1.82 × 3.64 m(約6.62 m²)ならちょうど2坪程度です。費用の相場や材料の計算はm²で示されることが多いので、計算はm²で行うのがおすすめです。