日本のウッドデッキで最も一般的な根太ピッチ(根太の芯々の間隔)は400 mmです。30 × 105 mmの杉や桧の防腐注入材では〜400 mm、20 × 105 mmのウリンなどのハードウッドでは〜500 mm、人工木は製品ごとに400〜600 mm以内と指定されています。米国の資料では16インチ(約406 mm)が標準とよく書かれていますが、日本では400 mmを基準に考えるのが一般的です。実際の答えは、2つの別々の制限で決まります。デッキ材が根太の間をどこまで渡せるか、そして根太が大引の間をどこまで渡せるかです。
日本にはウッドデッキ専用の国の技術基準が見当たらず、根太ピッチはデッキ材の製品ごとの施工説明書で指定されています。このガイドの数値は、施工説明書を読み解くための手引きとして扱ってください。
2つの制限で1つのピッチが決まる
根太ピッチは、2つのチェックを同時に満たす必要があります。
- デッキ材のチェック。 デッキ材は根太と根太の間でたわみます。薄く柔らかいデッキ材ほど、根太ピッチを狭くする必要があります。
- 根太スパンのチェック。 根太は大引と大引の間(または大引から外への張り出し)でたわみます。ピッチが狭いほど1本あたりの荷重が減り、それぞれが長く渡せるようになります。
まずデッキ材のチェックに通るピッチを選び、次にそのピッチで必要な距離を渡せる根太と大引の組み方を決めます。
デッキ材のチェック:厚さと樹種の目安
天然木のデッキ材について、リーベ プロは厚さと樹種ごとの根太ピッチの目安を公開しています(リーベ プロの根太ピッチ一覧)。
| デッキ材 | 厚さ × 幅 | 根太ピッチの目安 |
|---|---|---|
| 杉・桧 防腐注入材 | 30 × 105 mm | 〜400 mm |
| 桧 | 20 × 90〜105 mm | 〜400 mm |
| 桧 | 25 × 105〜120 mm | 400〜500 mm |
| 桧 | 33 × 105 mm | 500〜650 mm |
| ハードウッド(ウリン、イペ、イタウバ、セランガンバツ) | 20 × 105 mm | 〜500 mm |
| ハードウッド(同上) | 30 × 105 mm | 500〜750 mm |
| 防腐処理SPF | 38 × 140 mm | 〜500 mm |
| 米杉(レッドシダー) | 38 × 140 mm | 〜650 mm |
mock re:の作り方ガイドでも、デッキ材の厚さ20 mmで約500 mm、30 mmで約600 mm、38 mmで約650 mmという目安を示しています(mock re:)。同じ厚さでも、柔らかい杉と硬いハードウッドでは渡せる距離が違う点に注意してください。
また、デッキ材が根太2本だけに載る短い材は、3本以上にまたがる長い材よりたわみやすくなります。額縁張りの縁取りに入れる短い材や、継ぎ目の近くの端材は、ピッチの上限ぎりぎりで使わないほうが安心です。呼び名と実寸の違いはデッキ材のサイズ解説で説明しています。
人工木はメーカーの指定に従う
人工木のデッキ材は、製品ごとに根太ピッチが指定されています。RESTAがまとめた例は次のとおりです(RESTAの人工木の根太ピッチ)。
- ハンディウッド: 400 mm以内
- レジンウッド2: 450 mm以内
- ルチアウッド: 500 mm以内(製品ページでは400〜450 mm程度で設定するよう案内)
- エコロッカ: 500 mm以内
- フクビ マルチデッキ: 600 mm以内(束ピッチも600 mm以内)
リーベ プロの一覧では、25 × 140〜145 mmの人工木の多くが「400 mm以内」とされています。同じ製品でも資料によって数値の書き方が違うことがあるため、迷ったら狭いほうに合わせ、必ず購入する製品の施工説明書を確認してください。階段の踏み板やステップには、別に狭い支持間隔が指定されていることがあります。
根太スパンのチェック:大引と束の間隔
ピッチが決まったら、根太が大引の間を無理なく渡せなければなりません。日本の一般的なデッキは、束 → 大引 → 根太 → デッキ材の順に組む「大引き工法」で、根太のスパンは大引の間隔で決まります。大引を2本の根太で挟む「サンドイッチ工法」もあり、地面に凹凸がある場合に施工しやすいとされています(mock re:)。
日本にはウッドデッキ用の根太スパン表が見当たらないため、次の点を目安に計画します。
- 束の間隔は900〜1,200 mm程度が一般的です(mock re:)。人工木の製品では「束ピッチ600 mm以内」のように、下地まで指定されていることがあります。
- 根太や大引の断面が小さいほど、大引の間隔や束の間隔を狭くします。
- 大引から外に張り出す根太やデッキ材には、別の上限があります。たとえばルチアウッドは、床板の張り出しを根太の中心から120 mm程度までとしています(リーベ プロ)。
高さのあるデッキや大きなデッキ、重いものを置くデッキでは、施工業者や建築士に部材のサイズを確認してもらいましょう。
計算例:3.6 × 2.7 mのデッキ
3.6 × 2.7 mの独立型デッキを考えます。根太は3.6 mの方向に並び、大引は前後の端から100 mm内側に1本ずつ、束の間隔は最大900 mmとします。杉30 × 105 mmのデッキ材を根太と直交させて張るので、根太ピッチは400 mmです。
ステップ1:根太を数える。 3,600 ÷ 400 = 9区画なので、両端の根太を含めて10本です。一般式は、根太の本数 =(長さ ÷ ピッチ)を切り上げ + 1です。ウッドデッキ下地計算ツールでも同じく根太10本、1本あたりの長さ約2,624 mm、束と基礎10か所という結果になります。
ステップ2:ピッチを変えて比べる。
| 根太ピッチ | 3.6 mに沿った根太の本数 | デッキビス(交点ごとに2本) | 想定するデッキ材 |
|---|---|---|---|
| 300 mm | 13 | 650本 | 斜め張り、より硬い踏み心地 |
| 400 mm | 10 | 500本 | 杉・桧30 mm、多くの人工木 |
| 500 mm | 9 | 450本 | ハードウッド20 mm、一部の人工木 |
| 600 mm | 7 | 350本 | 厚い米杉、600 mm以内の人工木 |
ビスの本数は、奥行き2.7 mに105 mm幅・すき間5 mmで25列並べた場合です。ピッチを狭くすると、根太だけでなくビスや手間も増えます。
ステップ3:継ぎ目と根太の位置を合わせる。 デッキ材の継ぎ目は根太の上に来る必要があるため、継ぎ目の位置は根太ピッチの倍数に限られます。400 mmピッチなら、2 m材や4 m材の継ぎ目は根太に乗りますが、3 m材の継ぎ目(3,000 mm)は根太と根太の間に来てしまいます。継ぎ目の下には根太の追加か受け材も必要です。額縁張りの縁取りや見切り材(ブレーカーボード)でも根太や受け材が増えるため、下地材を注文する前に計画しておきましょう。
ピッチを狭くすべき場合
- 斜め張りやヘリンボーン張り。 根太と斜めに交わるデッキ材は支点間の距離が長くなるため、ピッチを狭くします。どこまで狭くするかは製品の施工説明書で確認してください。
- 重い荷重。 大型のプランター、水を張る設備、物置などの集中荷重は、一般的なデッキの想定を超えることがあります。専門家に相談してください。
- よりしっかりした踏み心地。 上限ぎりぎりのピッチは、問題がなくても弾むように感じることがあります。ピッチを狭くするか、根太の断面を大きくすると改善します。
- 隠し留め具のシステムには、独自のピッチの要件が記載されていることがあります。デッキ材の説明書だけでなく、金具の説明書も確認してください。金具の数については隠し留め具とデッキビスの比較で解説しています。
ピッチがデッキ材の注文に与える影響
根太ピッチによって、必要なデッキ材の面積は変わりません。ただし細部には影響します。継ぎ目は根太の上に来なければならないため、デッキ材の長さや端材は根太の位置で決まります。デッキ材の長さと根太の割り付けは一緒に計画しましょう。ウッドデッキ材料計算ツールがこれを処理し、デッキ材の長さの選び方で考え方を説明しています。
施工の前に
ここで紹介した目安は、一般的なデッキでよく使われる値を示すもので、地盤、積雪、樹種の違い、デッキの高さは考慮されていません。お使いのデッキ材と下地材の施工説明書に従い、高さのあるデッキや大きなデッキでは施工業者や建築士に相談してください。屋根を付けると建築物として扱われ、確認申請が必要になる場合もあります(建築基準法第6条)。計画の進め方はウッドデッキの計画の立て方で解説しています。
よくある質問
人工木デッキ材なら根太ピッチ400 mmで必ず大丈夫ですか?
多くの製品で400 mm以内が指定されているため、400 mmなら条件を満たすことが多いですが、どの製品にも当てはまるわけではありません。斜め張りや階段では、より狭い間隔が必要なこともあります。適用されるのは、お使いのデッキ材の施工説明書に書かれた値です。
材料を節約するために根太ピッチを広げてもよいですか?
デッキ材がそのピッチに対応している場合に限ります。30 mmの杉なら〜400 mmが目安で、それより広げるとたわみや割れの原因になります。厚い米杉やハードウッドなら広げられますが、根太1本あたりの荷重が増えるため、根太や大引の組み方も見直す必要があります。
デッキの根太の本数はどう数えればよいですか?
根太を並べる方向の長さを根太ピッチで割り、切り上げて1を足します。3.6 mを400 mmピッチで並べるなら10本です。そのうえで、継ぎ目、見切り材、額縁張りの縁取りの下に入れる追加の根太や受け材を加えます。
根太ピッチによってデッキビスの本数は変わりますか?
変わります。デッキ材はまたぐすべての根太で留める必要があるため、ピッチを狭くするとビスや金具が増えます。上の例では、400 mmピッチで500本、300 mmピッチにすると650本になります。