天然木のウッドデッキでは、デッキ材の間のすき間は3〜5 mm程度が一般的な目安です。人工木は製品ごとにすき間が指定されていて、たとえばルチアウッドは側面に5〜7 mm程度、長手方向(端部)にも5〜7 mm程度のすき間を求めています。建物の外壁との間にもすき間が必要です。以下では、公表されている数値、その理由、すき間によってデッキ材の枚数がどう変わるかを解説します。
そもそもデッキ材にすき間が必要な理由
デッキ材の間のすき間には3つの役割があります。
- 排水。 雨水がデッキの上にたまらず、下に抜ける必要があります。木材の上に水がたまると腐朽やカビの原因になり、人工木ではシミや滑りやすい部分ができます。日本の梅雨や台風の時期には特に重要です。
- 通気。 デッキ材の間を抜ける空気が、根太の上面やデッキ材の裏面を乾かします。
- 伸縮。 天然木は湿気で膨張・収縮します。人工木は温度や湿度によって伸び縮みや反りが生じることがあります。すき間があれば伸縮の逃げ場ができ、デッキ材同士が押し合って反り上がるのを防げます。
もう1つの要素がゴミです。すき間が狭すぎると、落ち葉や砂が詰まって排水が妨げられます。広すぎると、かかとや椅子の脚が引っかかり、小物が落ちてしまいます。目安の数値は、この両方のバランスを取ろうとしたものです。
天然木:3〜5 mmが目安
天然木のデッキ材について、販売店の施工ガイドはおおむね同じ数値を示しています。
| 資料 | デッキ材同士のすき間 | 建物や壁とのすき間 |
|---|---|---|
| リーベ:ウッドデッキの張り方 | 幅方向・長手方向とも3〜5 mm程度 | 5 mmほど |
| mock re::ウッドデッキの作り方 | 3〜5 mm程度(排水と通気のため) | — |
当サイトの計算ツールも、日本向けの初期値として5 mmを使っています。
材の状態で調整する
木材は含水率が変わると、主に幅方向に伸縮します。そのため、適切なすき間は施工時にデッキ材がどれだけ乾いているかで変わります。
- よく乾いた材は、雨に濡れると少し膨らみます。3 mmより狭くすると、膨らんだときにすき間がほとんどなくなることがあります。
- 湿り気の残る材は、乾燥とともに縮んですき間が広がります。張った直後の5 mmが、乾くとそれ以上に開くことがあります。
- **ハードウッド(ウリン、イペなど)**は硬く割れやすいため、下穴をあけて専用のビスで留めます。すき間は販売店の指示に従ってください。
決める前に、届いたデッキ材を数枚測りましょう。表記の幅より明らかに広い材は水分を含んでいる可能性があります。防腐注入材の扱い方は防腐処理材ガイドで解説しています。
人工木:施工説明書に従う
人工木のメーカーは正確なすき間を指定しており、保証の条件にしている場合もあります。例として、ルチアウッド(25 × 145 × 1,995 mm)の施工情報は次のとおりです(リーベ プロ:ルチアウッド)。
| 場所 | すき間 |
|---|---|
| 床板の側面 | 5〜7 mm程度 |
| 長手方向(突き付け) | 5〜7 mm程度 |
| 建物や構造物との間 | 7 mm程度 |
人工木は木粉とプラスチックでできているため、温度や湿度の差で伸縮や反りが出ることがあります。天然木より長手方向のすき間を重視するのはこのためです。ほかの製品では数値が異なるので、購入する製品の施工説明書で確認してください。
隠し留め具(専用のクリップや間接ビス留めの金具)を使う製品では、通常、金具が側面のすき間を決めてくれます。これが専用金具を使う実用的な理由の1つです。長所と短所は隠し留め具とデッキビスの比較で解説しています。
夏と冬で長さが変わる
人工木は、真夏の直射日光の下と冬の朝とで長さが変わります。暑い日にカットして固定したデッキ材は伸びた状態なので、冬には縮んで継ぎ目のすき間が開きます。寒い日に固定した材は、夏に伸びて隣の材を押すことがあります。実践的な習慣が2つあります。
- カットして固定するまで、デッキ材を日陰に置いておく。濃い色の材ほど日差しで熱くなります。
- カットと固定を一気に行う。カット後に日なたに置いた材は、ビス留めするころには長さが変わっています。
すき間によってデッキ材の枚数がどう変わるか
すき間はすべての列に加わります。各列はデッキ材1枚の幅とすき間1つ分を占めます。計算は次のとおりです。
- 列数 =(デッキ材と直交する方向のデッキの幅 + すき間)÷(デッキ材の幅 + すき間)、小数点以下切り上げ
計算例1。 3.6 × 2.7 mのデッキで、デッキ材を3.6 m方向に張る場合、デッキ材は2.7 mの幅に並びます。杉の105 mm材とすき間5 mmなら、ピッチは110 mmです。
- (2,700 + 5) ÷ 110 = 24.6なので、25列が必要です。
- 計算ツールでは、4 m材25枚(ロス10%込みで28枚)になります。
ここで注意したいのが最後の列です。24列分のデッキ材とすき間で2,640 mmを占めるため、25列目に残るのは60 mmだけです。すき間を変えると、次のように変わります。
| すき間 | 列数 | 最後の列の幅 |
|---|---|---|
| 3 mm | 25 | 105 mm(25枚とすき間で2,697 mm、ほぼぴったり) |
| 5 mm | 25 | 60 mm |
| 7 mm | 25 | 12 mm |
計算例2。 奥行き3.6 mで同じ105 mm材なら、3 mmで34列(最後の列36 mm)、5 mmで33列(最後の列80 mm)、7 mmで33列(最後の列16 mm)です。
計算例3。 145 mmの人工木で奥行き2.7 mの場合、すき間5 mmなら18列でほぼぴったり収まります(18枚とすき間で2,695 mm)。すき間7 mmにすると、17列分で2,584 mmとなり、最後に116 mm幅の列が必要です。中空の人工木は縦に切ると中の空洞が見えるため、このような割り付けは避けたいところです。
すき間がわずかに違うだけで、列数や最後の列の幅が大きく変わることがあります。実際に購入するデッキ材で計算する価値があります。デッキ材のすき間計算ツールはデッキの幅に合うすき間を逆算でき、人工木デッキ計算ツールは人工木の幅を使います。幅ごとの違いはデッキ材のサイズ解説で紹介しています。
最後の列が細くなるのを防ぐ
60 mmや12 mmの細い材は見た目が悪く、固定も困難です。張り始める前に対処法を決めておきましょう。
- すき間を指定範囲(天然木なら3〜5 mm)の中で微調整し、最後の列が全幅か半分以上になるようにする。
- 最初と最後のデッキ材を同じ幅に縦挽きし、どちらも半分より広くする。
- 端での張り出しを調整する。リーベの張り方ガイドでは床板を幕板より25 mm突き出すよう勧めています。人工木は製品ごとに張り出しの上限があり、ルチアウッドは根太の中心から120 mm程度までです。
数列ごとに墨を打ち、割り付けをまっすぐに保ちます。すき間のずれは、最後の列より早い段階のほうが直しやすいものです。
すき間を一定に保つための道具
- スペーサー。 決まった厚さのプラスチック製スペーサーは安価で正確です。端材の合板やアクリル板を同じ厚さに切って使う人もいます。
- 専用の留め金具。 溝付きの人工木では、金具を使うと自動的にすき間が決まります。
- 曲がり矯正の工具。 クランプやレバー式の工具で反った材をまっすぐに引き寄せ、すき間を保ったまま固定できます。
スペーサーは作業を進めながら抜いていきましょう。湿った木材に一晩差したままにすると、デッキ材が膨らんで抜けなくなることがあります。
すき間でよくある失敗
- 材の状態を無視する。 湿った材に広めのすき間をあけると、乾燥後には想定よりずっと広くなることがあります。
- 人工木の端部にすき間をあけない。 冬に突き付けで固定した人工木は、夏に隣の材を押し上げることがあります。
- 建物際にすき間をあけない。 外壁や柱にぴったり固定したデッキ材は水をため込み、伸縮の逃げ場もありません。
- すき間の大きさを混在させる。 途中でスペーサーを変えると、庭から見てもはっきり分かります。
購入前に、メインのデッキ材計算ツールでプラン全体をまとめておくのがおすすめです。デッキ材の幅とすき間から列数を数え、カットリストを作成します。
よくある質問
ウッドデッキのすき間は何mmが標準ですか?
天然木では3〜5 mm程度が一般的な目安です。人工木は製品ごとに指定があり、ルチアウッドでは5〜7 mm程度です。お使いのデッキ材の施工説明書が最優先です。
人工木のすき間は天然木と同じでよいですか?
同じとは限りません。人工木は温度や湿度による伸縮を考えて、側面だけでなく長手方向や建物際のすき間も指定されています。天然木の感覚で狭くしたり、端部のすき間を省いたりしないでください。
デッキ材のすき間が広すぎることはありますか?
あります。すき間が広いと、かかとや椅子の脚が引っかかり、小物が落ちてしまいます。木製デッキで異常に広いすき間ができるのは、たいてい湿った材をすき間をあけて張り、その後縮んだためです。
建物際のすき間はどれくらいにすればよいですか?
デッキ材が外壁、柱、基礎に接する部分には、水が抜けてデッキ材が動けるよう、すき間をあけてください。天然木では5 mmほど(リーベの張り方ガイド)、ルチアウッドでは7 mm程度とされています。製品の指定値を確認しましょう。