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階段と手すり

デッキの手すりの高さと手すり子の間隔|日本の基準と目安

2階のデッキに必要な1.1 mの手すり、住宅性能表示の110 mm以下の手すり子の間隔、階段の手すりの目安を、建築基準法と計算例で解説します。

更新 · 約1分で読めます · Free Deck Board Calculator編集部 · 調査方法について

建築基準法施行令第126条では、屋上広場や2階以上のバルコニーなどの周囲に、高さ1.1 m以上の手すり壁・さく・金網を設けるよう定めています。地面に近い1階のウッドデッキに一律の手すりの基準はありませんが、2階のデッキバルコニーや高さのあるデッキでは、この1.1 mが目安になります。手すり子の間隔は、住宅性能表示制度の評価方法基準で「内法110 mm以下」とされており、子どもがすり抜けないための目安として広く使われています。自治体や施工業者にも確認してください。

このガイドでは、それぞれの数値が実際のデッキで何を意味するか、手すり子の間隔の割り出し方、そして寸法と同じくらい重要な構造の細部を解説します。

転落防止の手すりと階段の手すりは別のもの

どちらも「手すり」と呼ばれますが、役割が違います。

  • **転落防止の手すり(さく)**は、開放された端から人が落ちるのを防ぐものです。デッキの外周と、階段の開放側に沿って設けます。
  • 階段の手すりは、階段を上り下りするときにつかむためのものです。握りやすい形状で、階段に沿って続いている必要があります。

階段では1つの構造で両方の役割を果たすこともできますが、両方の条件を満たす場合に限ります。幅の広い平らな笠木は握りにくいため、別に握れる手すりを付けるのが一般的です。

手すりが必要になる条件

建築基準法施行令第126条が手すり壁などを求めているのは、屋上広場や2階以上の階にあるバルコニーなどです(建築基準法施行令)。2階の掃き出し窓から出るデッキバルコニーは、これに当たると考えてください。

1階のウッドデッキには一律の基準がありません。参考になるのが住宅性能表示制度の評価方法基準で、高齢者等配慮対策等級の転落防止の手すりの基準は、外部の地面などからの高さが1 m以下の部分には適用しないとしています(国土交通省:評価方法基準(高齢者等への配慮))。つまり、地面からの高さが1 mを超えるデッキは、手すりを検討すべき高さの目安といえます。

傾斜地では、デッキの端だけでなく、その先の地面の高さも測ってください。デッキの端での高さが低くても、すぐ先で地面が下がっていれば、落ちたときの高さは大きくなります。低いデッキでも、子どもが遊ぶ場所や段差のある端に手すりを付ける家庭は多くあります。

手すりに必要な高さ

場所高さの基準・目安出典
屋上広場、2階以上のバルコニーなど1.1 m以上建築基準法施行令第126条
バルコニー(足がかりの高さ300 mm未満)床面から1,100 mm以上評価方法基準
バルコニー(足がかりの高さ300 mm以上650 mm未満)足がかりから800 mm以上評価方法基準
バルコニー(足がかりの高さ650 mm以上1,100 mm未満)床面から1,100 mm以上評価方法基準
廊下・階段の開放側(腰壁650 mm以上800 mm未満)床面(階段は踏面の先端)から800 mm以上評価方法基準
廊下・階段の開放側(腰壁650 mm未満)腰壁から800 mm以上評価方法基準

評価方法基準の数値は住宅性能表示制度のもので、すべての住宅に義務付けられているわけではありませんが、安全な手すりを計画するうえでよい目安になります。手すりのキットや既製品は高さが決まっているため、注文前に最も確認しておきたい数値です。

ベンチやプランターは「足がかり」になる

評価方法基準では、腰壁などの「足がかりとなるおそれのある部分」の高さによって、手すりの高さの測り方を変えています。デッキの端に造り付けたベンチや大きなプランターは、子どもにとって手すりを乗り越える足がかりになります。外周にベンチを設ける場合は、その上面から必要な高さを確保するか、ベンチを手すりから離して配置してください。

110 mmの基準と手すり子の間隔

評価方法基準では、転落防止の手すりのうち、床面(階段では踏面の先端)からの高さが800 mm以内の部分にある手すり子の間隔を、内法寸法で110 mm以下としています。幼い子どもの体がすり抜けないための数値です。考え方としては、次のようなすき間すべてに当てはめるのが安全です。

  • 手すり子と手すり子のすき間
  • 下桟とデッキ面のすき間
  • 端の手すり子と支柱のすき間
  • 手すりが建物の壁と接する部分のすき間

上限ぎりぎりではなく、少し狭くする

ちょうど110 mmのすき間は、木製の手すり子が反ったり、縮んだり、少しずれたりすると、すぐに上限を超えてしまいます。多くの人は90〜100 mm程度を目標にして、材の動きや小さな切断誤差の余裕を残します。

計算例:2本の支柱の間の手すり子

支柱を芯々900 mmで立て、90 mm角の支柱と30 mm角の手すり子を使う場合:

  1. 支柱間の内法:900 − 90 = 810 mm。
  2. すき間の上限を110 mmにすると、計算ツールの結果は手すり子5本で、すき間は (810 − 5 × 30) ÷ 6 = ちょうど110 mm。上限ぴったりで、余裕がありません。
  3. 上限を100 mmにすると、手すり子6本で、すき間は (810 − 6 × 30) ÷ 7 = 90 mm。
  4. 手すり子を40 mm角にすると、6本ですき間は約81 mmになります。

すき間は常に手すり子より1つ多くなります。ちょうどその幅にスペーサーを切り、その区画のすべての手すり子に使います。小さな誤差も積み重なるので、両方の支柱から中央に向かって割り付けを確認しましょう。

デッキ全体の例: 2.7 × 1.8 mのデッキの3辺(1.8 m、2.7 m、1.8 m)に手すりを付け、支柱90 mm角を最大900 mm間隔、手すり子30 mm角をすき間100 mm以下で並べると、ウッドデッキ手すり計算ツールの結果は支柱8本、7区画、手すり子42本で、すき間は約84〜86 mmです。割れやカットミスに備えて、手すり子は数本多めに購入しましょう。

横桟やワイヤーの手すり

横方向の桟は見た目がすっきりしますが、はしごのように足がかりになり、子どもがよじ登りやすくなります。小さな子どもがいる家庭では、縦の手すり子のほうが安心です。ワイヤーの手すりは押すとたわむため、間隔と張力はシステムのメーカーの指示に従う必要があります。

高さと同じくらい強度が大切

高さが合っていても、人が寄りかかって外れてしまうものは手すりとはいえません。日本では1階のウッドデッキの手すりの強度について一律の数値基準は見当たらないため、次の点を押さえておきましょう。

  • 支柱は下地にしっかり固定する。 支柱は根太や大引にボルトで留め、デッキ材だけに留めないようにします。支柱の根元が最もてこの力を受ける部分です。
  • 支柱を切り欠かない。 根太の内側に収めるために支柱を大きく切り欠くと、最も力のかかる部分で断面が失われます。
  • 支柱の間隔を守る。 既製品の手すりは、説明書に支柱の最大間隔が書かれています。
  • 手すり子は上下で固定する。 ステンレスのビスを使い、木口の割れに注意します。

アルミや人工木の既製の手すりシステムを使う場合は、その施工説明書と、指定の支柱の取り付け方法に従ってください。2階のデッキバルコニーや高さのあるデッキでは、施工業者に強度を確認してもらいましょう。

手すりの支柱は下地の計画にも影響します。下地を組む前に支柱の位置が分かっていれば、適切な位置に受け材を入れられます。ウッドデッキ下地計算ツールを使えば、支柱が必要な位置に来るよう根太を割り付けられます。

階段の手すり

建築基準法施行令第25条では、階段に手すりを設けるよう定めていますが、高さ1 m以下の階段の部分には適用されません。第23条では、住宅の階段の蹴上げを23 cm以下、踏面を15 cm以上としています(建築基準法施行令)。屋外のデッキの階段がこれらの規定の対象になるかはケースによりますが、安全な階段の目安になります。

評価方法基準では、高齢者等に配慮した階段の手すりを、踏面の先端から700〜900 mmの高さに設けるよう求めています。デッキの階段でも、この高さを目安にすると使いやすい手すりになります。手で握れる太さの丸い手すりを、段鼻を結んだ線に沿って途切れずに付けるのが基本です。

階段の寸法はウッドデッキ階段の作り方を参照してください。ウッドデッキ階段計算ツールでは、段数と蹴上げ・踏面の寸法を確認できます。

材料の計画

基準が分かれば、手すりの拾い出しは数えるだけです。

  • 支柱: すべての角、各区間の両端、階段の上端と下端に1本ずつ。さらに、どのスパンも製品やデザインで決めた最大間隔を超えないよう中間の支柱を立てます。
  • 桟: 各区画の上桟と下桟。デザインに笠木があればその分も。
  • 手すり子: 上で説明した間隔の割り出し方で、区画ごとに計算します。
  • ビスと金物: 支柱ごとのボルトと金物、手すり子ごとのビス。デッキ材のビスはデッキビス計算ツールで計算できます。

手すりは、特に金属や人工木のシステムでは、多くの人が思う以上にデッキ費用の大きな割合を占めます。全体の予算における手すりの位置づけはウッドデッキの費用内訳で紹介しています。

よくある質問

1階の低いウッドデッキにも手すりは必要ですか?

建築基準法施行令第126条の1.1 mの規定は、屋上広場や2階以上のバルコニーなどが対象で、地面に近い1階のウッドデッキに一律の基準はありません。住宅性能表示の評価方法基準も、外部の地面からの高さが1 m以下の部分は転落防止の手すりの対象外としています。それでも、斜面に建つデッキや子どもが遊ぶデッキでは、手すりを付けると安心です。

110 mmは芯々で測りますか、それとも手すり子の間で測りますか?

芯々の間隔ではなく、手すり子の面と面の間の内法寸法です。30 mm角の手すり子で内法90 mmのすき間なら、芯々は120 mmになります。

2階のデッキバルコニーの手すりの高さはどれくらいですか?

建築基準法施行令第126条により、2階以上のバルコニーなどの周囲には高さ1.1 m以上の手すり壁・さく・金網が必要です。ベンチなど足がかりになるものがある場合は、その上面から十分な高さを確保してください。

階段の手すりの高さはどれくらいがよいですか?

住宅性能表示の評価方法基準では、踏面の先端から700〜900 mmの高さとしています。デッキの階段でもこの範囲を目安にし、握りやすい太さの手すりを階段の全長にわたって付けましょう。