額縁張り(ピクチャーフレーム)のデッキは、外周にデッキ材の縁取りを回し、その内側にメインの「フィールド」のデッキ材を張る仕上げ方です。デッキ材の木口を隠し、端部をきれいに仕上げ、オーダーメイドのような見た目になります。その一方で、まっすぐ張るよりも多くの下地が必要です。角には転び止め、端に沿って追加の支え、フィールドのデッキ材が縁取りに突き当たる部分には根太の2枚合わせや受け材が必要になります。これらはすべて、根太を組む前に計画しておかなければなりません。
額縁張りの構成
一般的なデッキでは、根太は建物から離れる方向に、フィールドのデッキ材は建物と平行に根太と直交して張ります。縁取りを加えると、4辺はそれぞれ違った扱いになります。
- 前面の辺(フィールドのデッキ材と平行)。 縁取り材はフィールドのデッキ材と同じように根太の端の上を横切ります。特別な下地は不要ですが、幕板との納まりをきれいにそろえます。
- 両側の辺(根太と平行)。 この縁取り材は外側の根太に沿って張られ、フィールドのデッキ材がそこに突き当たります。どちらのデッキ材にも支えが必要です。縁取り材はその全長に沿って、フィールドのデッキ材は縁取りで止まるすべての端部で支えます。
- 建物側。 掃き出し窓の前は、縁取りを省略したり、縁取り材を1枚だけにしたりするデッキも多くあります。建物との間には施工説明書どおりのすき間を残します。
追加の下地のほとんどは、両側の縁取り部分に入ります。
下地の要件
国内のデッキ材メーカーや販売店の施工説明書には、額縁張り専用の下地の指定が見当たらないことが多いため、ここでは次の原則で計画します。
- すべてのデッキ材の端部の下に、しっかりした木材を入れる。 フィールドのデッキ材の端部と縁取り材は、別々の支えに固定します。1本の根太の上で両方の端部を留めようとすると、ビスが材の端に寄りすぎて割れやすくなります。
- フィールドの端部は2枚合わせの根太で受ける。 縁取りの内側の線に沿って根太を追加し、外側の根太と抱き合わせてビスで一体にします。フィールドのデッキ材の端部が、縁取りとは別の支えを持つことになります。
- 縁取りの下に転び止めを入れる。 根太と平行な縁取り材の下には、根太ピッチと同じ程度の間隔で転び止めを入れ、縁取り材を支えます。海外の人工木メーカーTimberTechの額縁張りガイドでは約400 mm以下、よりしっかりさせるなら約300 mmとしています(TimberTech)。
- 留めの角の下に平置きの転び止めを入れる。 45°の留めの両側をそれぞれ固定できる幅の材を使います。
- 張り出しの上限を守る。 縁取り材を根太や幕板より外に張り出す場合、製品ごとの上限があります。RESTAは人工木の床板の跳ね出しを根太の中心から75 mm以内としており(RESTA:人工木ウッドデッキの施工方法)、ルチアウッドは120 mm程度までとしています(リーベ プロ)。
ほかのブランドを使う場合は、その施工説明書を確認してください。基本の下地についてはウッドデッキの根太ピッチのガイドで解説しています。ウッドデッキ下地計算ツールで基本の根太を数え、額縁張りの追加分を加えましょう。
夏の暑さと伸縮への注意
額縁張りでは、デッキ材の四方が固定されます。人工木は温度で伸び縮みするため、ルチアウッドでは長手方向にも5〜7 mm程度、建物などの構造物からも7 mm程度のすき間を設けるよう指示されています(リーベ プロ)。天然木でも、リーベは長手方向や建物との間に3〜5 mm程度のすき間を勧めています(リーベ:ウッドデッキの張り方)。実際には次のようにします。
- フィールドのデッキ材が縁取りに突き当たる部分にも、施工説明書どおりのすき間を残す。
- 人工木では、夏の日中と冬の朝では長さが変わることを前提に、真夏や真冬の極端な気温での施工は避けるか、説明書の温度ごとのすき間に従う。
- 長い辺では、非常に長い材を1本で無理に使うより、転び止めの上で継いで縁取りをつなぐことを検討する。
留めの角と突き付けの角
ほとんどの額縁張りでは、角を45°の留めにします。ぴったり合っていればシャープに見えますが、わずかな動きもすべて目立ちます。目が斜めの線を追うため、3 mm開いた留めは、3 mmの突き付けのすき間よりもはるかに目立ちます。
留めをぴったり保つコツは次のとおりです。
- 精度の高い卓上丸ノコ(スライド丸ノコ)で切り、角度が本当に45°か確認する。
- 先に留めの角を取り付け、そこから縁取り材を伸ばしていく。こうすれば長さの調整は角ではなく反対の端で行えます。
- 留めの両側を平置きの転び止めに固定し、天然木では木口の近くに必ず下穴をあける。
一方の縁取り材をもう一方の先まで通す突き付けの角は、より簡単で、動きも目立ちにくくなります。人工木で伸縮が心配な場合に、突き付けを選ぶ施工者もいます。突き付けでは片方のデッキ材の木口が見えるため、天然木なら木口に塗装を、人工木なら木口を隠すキャップや見切り材がある製品を選んでください。
縁取りの幅:1枚・2枚
縁取りはデッキ材1〜2枚分の幅にするのが一般的です。
- 1枚の縁取り。 最も一般的で、フィールドの端部を隠すにはこれで十分です。
- 2枚の縁取り。 2枚を並べると重厚な縁取りになり、2枚目に対照的な色を使うこともよくあります。
対照的な色は人気の仕上げです。ただし、濃い色のデッキ材は日差しで熱くなりやすく、人工木では伸縮も大きくなる点に注意してください。
計算例:3.6 × 2.7 mの額縁張りデッキ
3.6 × 2.7 mのデッキで、フィールドのデッキ材を3.6 mの方向に張る例です。4辺すべてに1枚の縁取りを回し、杉の防腐注入材30 × 105 mm(すき間5 mm、2 m・3 m・4 m材)を使います。縁取り1辺ごとに、105 + 5 = 110 mmがフィールドから差し引かれます。
フィールドの寸法
- フィールドの長さ:3,600 −(2 × 110)= 3,380 mm
- フィールドの幅:2,700 −(2 × 110)= 2,480 mm
フィールドの列数
- (2,480 + 5)÷ 110 = 22.6なので、23列
- 各列は3,380 mmなので4 m材を使い、1列あたり約620 mmの端材が出ます
縁取り材
- 長辺2本(3.6 m):4 m材から2本
- 短辺2本(2.7 m):3 m材から2本
ロスを除いた合計(ウッドデッキ材料計算ツールの結果)
| 張り方 | 購入するデッキ材 | 合計の長さ | 根太との交点 |
|---|---|---|---|
| まっすぐ張る | 4 m材 25本 | 100 m | 250か所 |
| 額縁張り(縁取り1枚) | 4 m材 25本 + 3 m材 2本 | 106 m | 266か所 |
デッキの面積は9.72 m²です。この例では縁取りによってデッキ材が6 m、約6%増えます。縁取りの長さは外周の12.6 mで、フィールドの列が2列減る代わりに、短辺用の3 m材2本が加わるためです。予備を10%見込むと、額縁張りでは4 m材28本と3 m材2本の計30本になります。
米杉40 × 140 mm(1.82〜3.65 m材)で同じデッキを張る場合、まっすぐ張りなら3.65 m材19本、額縁張りなら3.65 m材19本と3 m材2本です。デッキ材の販売長さとデッキの寸法の組み合わせで増え方が変わるので、計算ツールで比べてみてください。
ロスの見込み
額縁張りでは、留めのカットや切り直しに備えて、まっすぐ張るより多めに予備を見込むのが安心です。フィールドの端材(この例では1列あたり約620 mm)は、転び止めや階段の部材に転用できます。端材の再利用の計画方法はデッキ材の長さの選び方で紹介しています。
留め具と作業の順序
額縁張りは、まっすぐ張るよりも多くの留め具が必要です。上の例では根太との交点が250か所から266か所に増え、交点ごとに2本のビスなら500本から532本になります。さらに縁取りに沿った転び止めと、各留めの両側にもビスを打ちます。デッキビス計算ツールは脳天打ちのビスやクリップの数を見積もりますが、縁取りの転び止めの分は追加してください。
一般的な手順は次のとおりです。
- フィールドの端部用の2枚合わせの根太、縁取りの下の転び止め、角の転び止めを含めて下地を組む。
- 幕板を使う場合は取り付け、留めの角から縁取り材を据える。
- 片側からフィールドを張り、すき間を一定に保ちながら、数列ごとに反対側の縁取りとの位置を確認する。
- 必要なら最後のフィールドのデッキ材を縦挽きし、側面のすき間を保ったまま縁取りにきれいに収める。
先にフィールドを張り、ガイドレールを使った丸ノコで端部をまっすぐに切りそろえてから縁取りを取り付ける方法もあります。どちらの方法でも構いません。大切なのは、フィールドの端部が2枚合わせの根太や受け材の上にきちんと載ることです。
額縁張りと見切り材の組み合わせ
長いデッキでは、額縁張りと中央を横断する見切り材(ブレーカーボード)を自然に組み合わせられます。見切り材も同じ下地の考え方で、根太の2枚合わせと転び止めによって、フィールドの各端部に専用の支えを設けます。その割り付けは見切り材のガイドをご覧ください。
ウッドデッキ材料計算ツールには、額縁張りと見切り材のオプションがあります。フィールドから縁取りを差し引いて列数を数え、縁取り材の長さを提案し、デッキ全体のカットリストを作成します。
よくある質問
額縁張りのデッキには根太の追加が必要ですか?
通常は必要です。フィールドのデッキ材が縁取りに突き当たる部分には専用の支えが必要で、根太の2枚合わせや受け材を使います。縁取り材と留めの角を支えるため、端に沿った部分と角にも転び止めが必要です。
額縁張りにすると材料はどれくらい増えますか?
デッキの大きさと、販売長さが縁取りにどれだけ合うかによります。上の3.6 × 2.7 mの杉のデッキでは、ロスを除いてまっすぐ張る場合より約6%(6 m)増えました。縁取りの長さに合う材がない場合は、もっと増えることがあります。
額縁張りの角は留めにすべきですか?
留めが最も一般的で、ぴったり合っていれば最もきれいに見えますが、動きが目立ちやすくなります。人工木で伸縮が心配な場合は、角を突き付けにする施工者もいます。どちらを選ぶ場合も、角の下にしっかりした転び止めを入れ、両方のデッキ材をそこに固定してください。
既存のデッキに額縁張りを追加できますか?
できる場合もありますが、通常は外側の数列を外し、新しい縁取りの線の下に転び止めと2枚合わせの根太を追加する必要があります。決める前に、既存の根太が健全か、根太ピッチが新しいデッキ材に合っているかを確認してください。